ものもらい・ニキビ・膀胱炎の漢方治療:排膿散及湯 | ハンサラン韓方クリニック
ハンサラン韓方クリニック(Hansarang Korean Medicine Clinic) では、ものもらい・ニキビ・膀胱炎などの炎症性疾患に用いられる伝統漢方 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう) をご紹介します。この記事では、その作用原理、構成生薬、使用方法について詳しく解説します。 排膿散及湯とは? 排膿散及湯はその名の通り、「膿を排出し炎症を鎮める」ことを目的とした漢方処方です。東洋医学では、このような化膿性炎症を「癰疽(ようそ)」と呼び、体内の熱毒や気血の滞りが原因と考えます。本方は清熱解毒と活血化瘀によって炎症の根本を整えます。 作用メカニズム 排膿散及湯は、炎症を抑えるだけでなく、患部の血流を改善し、毒素の排出を促進します。これにより、まだ膿が形成されていない炎症は拡散して消え、すでに膿ができた場合は速やかに排出され、自然治癒力が高まります。 剤形:丸剤と軟膏状エキス剤 ハンサランクリニックでは、 丸剤 と 軟膏状エキス剤 の2種類を処方しています。丸剤は携帯や服用が容易で、軟膏状エキスは吸収が速く、炎症が強い初期段階で効果を発揮します。体質や症状の程度により、最適な形で調合されます。 主要成分と薬理作用 桔梗(ききょう) – 膿を排出し、のどや呼吸器の炎症を鎮めます。 甘草(かんぞう) – 抗炎症・解毒作用があり、他の生薬の調和を助けます。 枳実(きじつ) – 気の流れを促進し、腫れや痛みをやわらげます。 芍薬(しゃくやく) – 血流を改善し、筋肉の緊張や炎症による痛みを軽減します。 生姜・大棗(しょうが・たいそう) – 胃腸を守り、薬効の吸収を助けます。 ものもらいとニキビに対する効果 排膿散及湯は、目の周囲が腫れ痛むものもらいや、膿を伴うニキビに対して炎症を鎮め、膿の排出を促進します。赤みや腫れを軽減し、再発や瘢痕を防ぐ効果が期待されます。 膀胱炎や咽喉炎への応用 膀胱炎は東洋医学では「湿熱」による炎症とされます。本方は下腹部の熱毒を除き、排尿を促進して不快感を和らげます。また、桔梗と甘草の組み合わせにより、 咽喉炎・扁桃炎 などの上部炎症にも有効です。 現代薬理学の観点 近年の研究では、桔梗に含まれる プラティコディン(Platycodin) 、甘草に含まれる グリチルリチン(G...